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昔のサイトからの無理矢理な移行ですから、デザイン崩れやリンク切れ等々の不具合には目をつぶって下さい。

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~ポーニョポーニョポニョ さかなの子 青い海から やってきた
 ポーニョポーニョポニョ ふくらんだ まんまるおなかの 元気な子~


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少女・酒名ポニョは、南国沖縄に住む、快活で天真爛漫な女の子。
16歳という年齢は、果たして女の子と呼ぶに相応しいかどうかはわからないが、地元ではみんなに好かれる存在であった。
しかしその家庭は転じて、複雑な環境にあった。

父親は職が安定せず、昼間から家で酒浸り。妻や子に暴力をふるっていた。
家計はほぼ、母が支えていた。昼はスーパーのレジ打ち、夜はスナック。
そんな環境だったから、ポニョは幼い頃から祖母の家で過ごした。
やさしくて何故か江戸っ子気質で、よくウィットに富んだジョークで皆を笑わせていた祖母が、ポニョは大好きだった。
彼女の性格形成は、まさしく祖母から影響をうけたものだった。
しかしポニョが14歳の時、祖母は亡くなった。
得意としていた遠泳中に、溺れてしまったのだ。
そろそろ年齢を考えないと、と思ってはいた。
頑固な祖母をとめられなかった自分を、ポニョは責め、毎日泣き明かした。
しかし、大好きな海の中で散ることができたのは、幸せだったのかもしれないとも思った。
やがてポニョは、父と母のもとへと戻っていった。

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父親が逮捕された。
白昼堂々、全裸で市街地を闊歩していたのだ。
公然わいせつ罪の現行犯で逮捕されたが、その後の検査で覚醒剤常習者である事も判明。
自宅からも多数押収され、母やポニョにも嫌疑がかけられたがなんとか疑いは晴れた。
取り調べの中、父は廃人同然で、「うへへへぇ、ぱぺっちぼーん」などと訳のわからない返答しかできなかった。
覚醒剤のせいではなく、根本的に精神を病んでいるようだった。
父は精神病院の閉鎖病棟に入れられた。

ポニョは元気だった。
父に殴られても、外ではそんな辛い表情など微塵も見せず、やはりみんなから好かれていた。
そしてこれからはようやく、母とポニョの平和な生活がはじまる・・はずだった。
しかしある日、知らない男が家でくつろいでいた。
背の高い、筋肉質の男。母が働くスナックで知り合った漁師。
母の新しい恋人だそうだ。
母と男は、だんだんポニョの存在が見えなくなっていると思った。
子供がいる家の中で、堂々といちゃつく。
母と、父ではない男が。
恋は人を盲目にさせる、とはよく言うものだが、これはひどいと思った。

この家庭事情は、すぐに近所の噂になった。
「酒名さんとこの子、不憫よねー」
「おばあが亡くなっていなければ、こんなに辛い思いをしないで済んだかもしれないのに・・かわいそう」
「でも酒名の子だからな。あいつにも同じ血が流れてるんだから、本当のところはわかったもんじゃないぜ」
家からも地域からも、ポニョは孤立していった。

「もう耐えられない。私、ここを出てゆきます」
父への憎しみ。母への失望。祖母への愛と懺悔。
ポニョって名前、なんなんだよ!日本人の名前じゃねえよ!という怒り。
色々な想いを抱え、少女・酒名ポニョは沖縄を出る決意を固めたのだった。

7月19日、ポニョが家出します。

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全てを捨てて、なけなしの貯金をはたいて旅に出た末に、彼女は山口にいた。
パン屋で住み込みの仕事をしながら、健気に、しかし強く生きていた。
パン屋にやってきた男と、ひょんな事から恋に落ち、二人は同棲をはじめた。
貧しいながらも平凡な日々。ポニョは幸せだった。
やっと安住の地を見つけた、と信じていた。

同棲をはじめて2年が経った頃、男は出張だと言って家をあけた。
新潟で大きな仕事があるとかで、一ヶ月ほど帰ってこられないとのことだった。
「しばらく逢えなくなるけど・・・この仕事がうまくいったら、結婚しよう」
ポニョは感激した。天にものぼる気分だった。
ちょっぴり泣きながら、しかし笑顔で男を送り出した。
一ヶ月後、更に幸せである自らの像を想像して。
幸せが続く事を信じて。

男は二ヶ月、三ヶ月経っても帰ってこなかった。
一体どうしたのだろう。私は捨てられたのだろうか。
貧しい生活が嫌になって、そして私をも嫌いになってしまったのだろうか。
鬱々とした毎日を過ごす中、電話が鳴った。
「新潟○○病院の者ですが・・・」
それは愛する男が、遠い新潟の地で意識不明の重体である事を告げるものだった。

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男は自分の仕事に関しては、何も語ってくれない人だった。
ポニョにはそれが、彼なりの優しさなんだと思っていた。
しかし実際、男が語らなかった理由は、後ろめたい気持ちからだった。
男の職業は、麻薬の密売だった。
組織に弱みを握られ、ポニョと同棲後にはポニョの命をも握られ、満足にお金ももらえないまま働いていた。
しかし今回、新潟で行われる取引を成功させたら、組織を抜けさせてもらえるという約束だった。
彼は組織から抜ける事ができたら、ポニョの為に全うに働こうとしていたのだろう。
結婚して、幸せになろうと思っていたのだろう。

しかし、取引は失敗に終わった。
取引中に、警察による一斉検挙。銃撃戦へと変化した。
そして男は頭部に被弾。一命はとりとめているが、三ヶ月間も目が覚めない状態だという。

ポニョはすぐに男のもとへ駆けつけたかった。
お金のない彼女は、どうすれば山口から新潟までたどり着けるか考えた。
気が動転していたことも相まって、ポニョは自転車という無謀な手段をとった。
ここのところ体調が優れないのだが、雨の日も風の日も、ペダルをこぎ続けた。
男の身を案じる一心で。男に会いたいという一心で。

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ポニョが気が付くと、病院のベッドの上だった。
日本海を新潟目指し自転車でこぎ続け、京都で力尽きたのだった。
大雨の中、道路の真ん中で倒れているポニョを通行人が発見し、救急で担ぎ込まれたのだ。
すぐにポニョは、自分の事よりも男の身を案じた。はやく行かなければ。
そんなポニョに、医者は衝撃の事実を告げるのだった。
「あなたは妊娠しています」

ポニョは複雑だった。
男との間に子が生まれる、という事実は嬉しいこと。
しかしそのせいで、しばらく病院での絶対安静を命じられた。
今無理をすると、お腹の子が失われる可能性が高いのだ。
そもそも動こうにも、体が言うことをきいてくれない。
ポニョは身をそがれる思いで、ひたすら体が回復するのを待った。

数ヶ月後、病院から退院の許可を得る前に、ポニョは病院を飛び出した。
もう我慢ができなかった。すぐにでも歩を進めないと、気が狂いそうだった。
自転車はあの日、使い物にならなくなったらしい。
もう歩くしかない。ポニョは相変わらず極端だった。

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妊婦が体を引きずるように歩いている。
とあるトラックのドライバーは、そんな光景を見過ごす事ができなかった。
痛みと苦しさと心配さと愛しさとせつなさと心強さと空と海と大地と呪われし姫君と部屋とYシャツと私でもって、その表情は狂者かと見違えて恐かったが、たまらず声をかけた。
最初こそ拒絶したポニョだったが、ドライバーの必死の説得に心を開き、素直に乗車することとした。
ポニョが言う病院まで乗せてくれたドライバーに、精一杯の誠意と感謝を伝えて別れた。
とんでもない遠回りだったろうに。ガソリン代も半端ないだろうに。ポニョはそのあたたかさに、嗚咽がとまらなかった。

この病院に、あの人がいる。
いてほしい。目が覚めていなくてもいいから、生きていてほしい。
結果、男は生きていた。
しかも、意識を取り戻しているという。
安堵にまた、ポニョは嗚咽をおさえる事ができなかった。

男は、ポニョの事を覚えていなかった。
頭部を負傷した際、命が助かった事と引き替えに、ここ数年間の記憶を失ってしまったのだという。
病室で感動の再会、というシチュエーションは、ポニョから男への一方通行だった。
「ほら、あなたの子供よ。妊娠してるの」
そう言ってポニョは、自分のお腹に男の手をあてがったが、男は無反応だった。
愕然とし、しばらく呆然としていたポニョ。
せっかく再会できたのに、こんな仕打ちはないと思った。
警察から聞いた話によると、麻薬密売組織は先の一斉検挙で壊滅。
捜査により男が脅されていた事も解明し、男の記憶が戻り次第取り調べを行うとのこと。
有罪判決を受けるだろうが、執行猶予が付くだろうとの見解だった。
妻となり母となるポニョは、自分が彼を支えなければ、と強く思った。

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彼の病室から声が漏れている。
男と女の話し声だ。
「・・・本当に?」
「ああ・・・結婚してくれ」
「だって、あなたにはあの子がいるんでしょう?妊娠もしてるんだし・・」
「関係ないさ。あいつには沖縄にでも帰ってもらおう。記憶が戻らないと偽っている事をいいことに、お前と既成事実をつくってしまえばいいのさ」
「・・・悪い人ね」
ポニョは病室の扉の隙間からのぞきつつ、耳をすませていた。
男の声は勿論、女の声にも聞き覚えがあった。
あの日、病院から電話をしてきた看護師だった。
「お前がいないとダメなんだよ。退院して裁判が終わったら・・・そうだな、漁師にでもなろうか。港町でのんびり暮らすんだ」
男は既に、記憶を取り戻していた。
しかし記憶が戻っていないふりをしている。
ポニョの事を、知らない、と言い張っている。
男と抱擁し合う女の目線が、扉の隙間から覗くポニョに向けられた。
女はポニョの存在を確認すると、勝ち誇ったかのように口角が上がり、より一層男を強く抱きしめた。
ポニョは、やっと全てを悟ったのだった。

看護師である女は、男を我が物としたいが為に、ポニョと男を徹底的に引き離そうと考えていたのだった。
わざわざ連絡をしてポニョを呼び出したのも、今ここでこの光景をポニョに見せつけているのも、全ては女の策略だったのだ。
ポニョがここへたどり着く間に、男の心をたぶらかし、染めていったのだ。
記憶が戻らない頃から、執拗に。

そもそも男と女は、いつ知り合ったのだろうか。
病院に担ぎ込まれてすぐにそういった感情が生まれるとは思えない。
とすると、もっとずっと以前・・・。
ひょっとしたら、警察による取引現場での一斉検挙も、女が仕組んだことなのかもしれない。

目の前では、女が男に絡みついている。
コレハワタシノモノダと言わんばかりに。あざ笑うように。
天井が、ぐるぐると回っていた。

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再び倒れてしまったようで、ポニョは病院のベッドの上だった。
意識が戻ってすぐには状況を呑み込めないでいたが、やがて数ヶ月前の幸せな頃には戻れないんだと、彼の気持ちは戻ってこないんだという現実を思い出し、ただひたすらに泣いた。
正確に言うと涙なんか出なかったが、号泣した。
医者は、妊娠中期における情緒不安定だろう、としか判断しなかった。

夜中に思い立ち、ポニョは裸足のまま駆けだした。
もう男に未練などなかった。ただ男のもとから一刻も早く離れたいが為に、振り返りもせず走った。
前後不覚のまま、夜中の街をひた走る。やがて街灯も少なくなり、辺りは鬱蒼と茂る林になっていた。
ふと、なつかしい音と匂いを感じ、ポニョは我に返った。
波の音と、潮の香り。海が近いようだった。
いつのまにか、朝日が昇ろうという時刻になっていた。

「海・・・海が見たい・・・」
ポニョは光にすがる虫たちのように、傷だらけの足を引きずって海をもとめた。
林が開け、明るい場所に出た。そこは断崖絶壁。海は崖から見下ろすはるか下。
岸壁の上に立ち日本海を見下ろす。ポニョは故郷である沖縄の青い海を見ていた。
「おばあ・・・この海も、おばあが沈んだ海につながっているかなあ・・・」
海に散った祖母がたまらなく懐かしく、無性に会いたくなった。
祖母が大好きで、明るい祖母に感化されて自分も明るく振る舞った。
明るく振る舞う事で、自分をも楽しくさせた。
あの頃はよかった。あの頃に戻りたい。戻れないのなら、大好きな祖母のもとへ行きたい・・・。

何もかもに絶望したポニョ。
もう涙はとうに枯れ果てた。
ゆっくりと歩を進め、一歩踏み出すごとに視界が海と空でいっぱいになる。
それはまるで、大好きな祖母につつまれてゆくような感覚にさせた。
「・・・こんな顔じゃ、おばあに逢えないね。おばあの目に映っていた私は、元気で明るい子なんだから」
ポニョは、自分のお腹をさすりながら、笑顔で言った。
「紹介するね。私のおばあだよ」
刹那、ポニョは地面を蹴って、崖から離岸した。
朝日に輝く、上気した笑顔がまぶしい。
そこには、明るく元気な少女の姿があった。

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~ポーニョポーニョポニョ さかなの子 青い海から やってきた
 ポーニョポーニョポニョ ふくらんだ まんまるおなかの 元気な子~


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という夢をみた。


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っていうあらすじですよ。
ネタバレ注意!(←今更)

ちなみにポニョがたどり着いた崖は、新潟県の出雲崎。
挿入歌は勿論、ジェロの「海雪」です。

神経症の時代だからこそ、みんな観ればいいんじゃないかなって思う。





シーマンポーニョポーニョポニョサカナノコー


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