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昔のサイトからの無理矢理な移行ですから、デザイン崩れやリンク切れ等々の不具合には目をつぶって下さい。

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 「あの肉」を自作してみた。(2005/7/31)

この夏はワイルドにすごす事にきめた


夏。暑い夏。夏と言えばアウトドア。バーベキュー。青空の下で肉をむさぼり喰うのです。
男たるもの、肉を喰うにもワイルドにこなしたい。野性味あふれるバーベキュー。はたしてどうあるべきか。
そうだ。「あの肉」だ。昔から肉を焼く描写として何度も目にし、いつかはやってやろうと誰もが憧れる「あの肉」。別称「マンガ肉」。これ以上のワイルド演出は無い。
これしかない。これぞ男のアウトドア。夢は叶える為に存在する。そうだ。今こそその時なんだ。と勝手に舞い上がり、浅い考えと適当な準備のもとに、振り返らず突っ走ってみました。
青春って、青いですよね。青すぎる。



まずは先人に学ぶ


マンガ肉を食べさせるお店がいくつかあります。
研究の末に開発されたマンガ肉を一度見ておきたい。カラオケパセラ 秋葉原店にて絶賛販売中の原始肉ver.2を視察してきました。




まさにあの形




豪快にかぶりつく



チーズがのびる
注文して出てきたそれはできたてのホヤホヤで、歯が触れるだけでも熱くて食べられないほど。

見た感じはまさにマンガ肉のそれ。肉の両端から骨が出た、俺が思い描く姿そのもの。俺が自作するものもこのスタイルで行こうと思う。

この「原始肉」はver.2であり、骨にソーセージを巻き付けて焼いたようなもの。ちなみに前作のver.1はハンバーグのようなものだった。


冷めるのを待ち、大口をあけてかぶりつく。ナイフとフォークも用意されていましたが、これぞマンガ肉の正しい食べ方。

味は当然ソーセージ。かなりボリュームがある。同じ味に辟易する俺にとって、アクセントとして皿の上にある一枚のレタスが救いになる。

食べ進めていくと、肉と骨の間にチーズが存在する事に気が付く。味付けは勿論、骨と肉の接着の役割も兼ねているのだと理解する。

ソーセージの外皮もよく伸びて、見た目かなりワイルドだ。良いね。見習いたい所。
美味しいのだけど、このボリュームは結構こたえる。老いた体にこの肉量はきつかった。

なるほど。これが研究を重ねて完成したマンガ肉。



外皮ものびる


腹いっぱい



骨を洗う


色々浅く考えた結果、三種類の方法でアプローチしていこうと決めました。

 1)骨に挽肉を巻いて焼く「ハンバーグ式」

 2)ボンレスハムに骨を刺して薫製にする「ハム式」

 3)豚バラ肉を骨に巻いては焼き、巻いては焼く「バームクーヘン式」



ネットで検索するといくつかレシピは出てきますが、オリジナリティを追求する永遠のチャレンジャーである所の俺としては、無い知識をもって色々試行錯誤することに意義があると考え、あえて参考にはせずにつくることにします。

方向性が決定した事により諸準備にとりかかった訳ですが、マンガ肉のマンガ肉たるアイデンティティ。骨。豚の大腿骨(豚ゲンコツ)を買ってきて確保したはいいが、骨に肉や軟骨が付着していて美しくない。
包丁でそぎ落とそうとするも、骨まで削ってしまったりしてなかなかうまくいきません。そこでゲンコツを煮込んでみる事にしました。



鍋に水を張る


煮込みまくる


アクをとりながら4時間煮込む。結果ものすごく良質なガラスープが精製されましたが、今回の目的ではないので全て廃棄。もったいない。

そんな疑似ラーメン屋体験の末に引き上げた骨は、周囲に付着している肉や軟骨が手で簡単に除去できるほどになりました。スプーンで細かい部分をそぎ落とし、タワシで磨いて美しい骨が3本できあがりました。この世で一番不毛な作業だったと思う。



人それぞれの休日


午前中は雲が多く、力強い日光は影を潜めていたように思えましたが、昼頃からがぜん威力を増した直射日光、炎天下の中彩湖のバーベキュー場で作業をしました。

まわりは仲良し家族が数世帯ジョイントしたような団体ファミリー層や爽やか若者のグループばかり。みんな普通に楽しく焼きそばをつくったりしています。
2~5歳くらいと思われる男女がマジ全裸で駆け回っている光景を見て、なんだここはヌーディストビーチなのかと錯覚を覚えつつ、一心不乱にマンガ肉をつくる。

目視しただけでも2回ほど指さされて笑われた事を確認しましたが、そんな事は気になんかしていられない。そんな事でブルー入っているようでは、マンガ肉など到底つくれまい。それほど厳しいものなのだマンガ肉道とは。

まあいわゆる一種のマインドコントロールの類であります。





食材たち。早く調理しないと腐る。





1.ハンバーグ式マンガ肉をつくる




ひきにくをこねる
こんなにも強い日射しと高い気温の中でダラダラやっていたら肉が腐る。
という事で早速一つ目のマンガ肉「ハンバーグ式」をつくりはじめる。

まず骨にとろけるチーズを巻き、よーくこねた挽肉を巻き付けていく。
形を整えつつ隙間無く巻くことができたら、アルミホイルで包み込む。あとは直火で焼けばできあがり。

一番手っ取り早く、一番投げっぱなしなこの「ハンバーグ式マンガ肉」。
出来上がりが楽しみ。いや、90%がた不安でいっぱい。



チーズを巻いた骨の上からまさに「肉付け」



こんな形と大きさ


アルミホイルで全体をつつむ



火にくべる





2.ハム式マンガ肉をつくる


一つ問題が発覚した。
ボンレスハムを買ってきたつもりが、スライスされたボンレスを買ってきてしまっていたのだ。これはかなりゆゆしき事態。
これではマンガ肉の肉部分としての「一体感」が損なわれてしまう。
何しろ薄っぺらくスライスされている集合体だ。それぞれが自我を持っている。自己主張が激しい奴らはきっと、必ずおのおの思い思いに飛び出たりへこんだりするだろう。結果としてかなり造形的に不格好なマンガ肉ができあがるに違いない。
これはいけない。かなり痛いミス。俺のバカバカ。略してオバ。と落ち込み、テンションを下げつつ作業にとりかかる。


ボンレスハム(スライス)




この直後に指を切ります

まずハムの中央に空洞をつくってみる。

包丁で指を切って血を噴き出させてまで行ったこの作業は、数分後には無駄な事だったと悟る。
骨の端が太くてハムが入っていかないのだ。

仕方がないので一枚一枚ハムの中心に十字の切れ込みを入れ、輪投げのようにしてハムに骨を通す。
と、気が付くと失敗であったはずのスライスハムが逆に好転している。よかったよかった。結果オーライである。




まるで輪投げ



余った部分は切り取って喰う


こうしないと太くて通らない



全部入った


全てに骨が通った状態をみると、なんか中央に紐を通されたすずなりの五円玉のような風貌に見える。もしくは重ねて持った南部せんべい。
ハムか。はたしてこれはハムなのだろうか。毎年お中元・お歳暮の時期に世に現れる「ハムの人」に怒られたりしないか。間違ってもアマチュア無線の人に怒られる筋合いは無いが。とりあえずハムを侮辱してごめんなさいと、各方面に謝っておきます。

このハムのようなものをたこ糸で縛り、薫製機に入れて4時間ほどいぶします。色がそれっぽくなると良いなあと思って。まあそのままでも食べられるんですけど。
なんかかっこいいじゃないですか、薫製って。動機はそれだけです。はい。



ヒモで縛って


吊す





3.バームクーヘン式マンガ肉をつくる


最後は骨に豚バラ肉を巻き付けては焼き、また巻き付けては焼いていくというバームクーヘン式。
これも最初にとろけるチーズを骨に巻き、その上から肉を巻き付けていく。
焼き方にコツがあり、焼けた肉が剥離しないよう気を付けながら焼く。概ね火が通った事を確認したら、また新たに巻いて焼くを繰り返す。

8つほど層ができた辺りで、肉を巻いても一周しなくなってしまった。
生肉部分と生肉部分が重なり合わないと、焼いても接着効果がなく、それ以降は火が通った時点で肉が剥離してしまう。まだまだ十分な大きさに育っておらず、納得がいかないがここで断念して完成とする。しかし焼いている最中の匂いはたまらなくおいしそうで、味には期待できそう。




骨にバラ肉を巻く



こんがりいい香り


ジュージューと焼く



焼けたら更にまたその上から巻いて焼く





遅かったか・・・




アウトドアと言えば、人生ゲームですよね!
お札やカードが強風で飛びまくったよ!



3つのマンガ肉制作が一段落つき、ほっと一息ついていると、一つ重大な事を忘れている事に気が付いた。 一番最初につくった「ハンバーグ式マンガ肉」。そういえば火にくべたままだった。

まずい。あれから何時間が経過しているというのだ。いくらアルミホイルで包んであるからって、あの業火に長時間包まれていたらやばいんじゃないか。
ととと、とりあえず引き上げてみよう。




着火してる


・・・燃えてるね。うん。


とりあえず自前の肺活量を駆使して一気に火を吹き消し鎮火させ、アルミホイルをあけて患者の容態を診る。
いや、この時点で「患者」だの「診る」だのという表現を用いている事自体、何かガッカリな結末を肌で感じていたに違いないのですが、銀色の中の物体をおそるおそる露出させてゆく。一筋の希望を信じて。根拠も可能性もありゃしないけど。





うわあああああああ



・・・・遅かったか・・・コゲてやがる・・・!

かの有名な「早かった巨神兵」は、破壊光線を一発だけでも発射する元気があった。
でもこの「遅かったマンガ肉」は、そんな元気は一切無い。完全に死んでる。ああ。

ともかくこれも一つの結末。これをもってハンバーグ式マンガ肉の完成、と言い張る事にする。

ごめんよ。肉。あと骨も。




薫製もできあがりましたよ

















マンガ肉 三品完成





いよいよワイルドタイム


とは言え、既にこの三品にワイルドさでは出し抜かれています。
特にあの真っ黒いやつには勝てない。いや、そうなってしまったのは俺のせい。ごめんよほんとに。

そのある意味ビジュアル系の色黒フェイスは炭、いや隅の方に置いておき、食えるやつから実食開始。いやだから、ほんとゴメンってば。そんな目で俺を見るな。





バームクーヘン式


骨の両端を持ち、男らしく中央をかぶりつく。他に食う人の事なんかお構いなし。ワイルドな男とはきっと、そういう自己中な考え方のもとに行動するヤツなんだと思う。ワイルドな男とは、煙たがられてナンボなのだ。

味はね。まあ、普通に肉。豚バラ。だって結果的にただ豚バラを焼いただけだもん。
調理の家庭であえて味付けは行わなかった為、肉を口に含んで塩コショウを後から口に投入。口内で混ぜて食べるという方法を用いる。まあ、普通に肉炒めの味がする。ただ骨付き肉というビジュアル面をみると、何とも野生に還ったような錯覚を覚える。ワイルド。これぞ男の夏。

でも完成してから数時間が経過していた為、肉がかなり冷めていた。その辺りがかなり残念な感じだった。肉が冷たい事によって、ワイルドランクも4段階くらいダウンした気がする。





ハム式


今更ながら、ハム式とか言って実際ハムそのものなのだが、食べてみてもやはりそれはハムそのものだった。
ハムっていうのは、ハムエッグとかで控えめに使われてはじめてそのありがたみがわかる食材なんだなあと痛感した。この量はありえない。っていうか一口で飽きた。恐るべしボンレスハム。奴らが手を組み協力しあったら…。敵に回したくない。そんな感じがした。いや何を言ってるんだ俺は。

こうしてみると、この中では一番見た目が「それっぽい」。両端から飛び出している骨と肉の比率がうまい事いった気がする。薫製した事によって外側の色がくすんでいるのも良い。食べたらまるっきりハムだけど。ハムの人も、これで許してくれるだろうか。





ハンバーグ式


まあぶっちゃけ炭なのですが。
やけくそでかぶりついてみた。にがい。当たり前だ。こんな発ガン性物質飲み込んだら死期を早めてしまう。いくらワイルドに振る舞うとはいえ、死に急ぐ事もない。素直に吐き出した。お百姓さんごめんなさい、と、懺悔をしながら。

中はこげていないので食べられるかと思ったけど、口を近づけると速攻で火災現場のようなすえた臭いというか、風味が臭覚や味蕾を刺激する。これはだめだ。体が「危険物」として判断している。心の警報が鳴りっぱなしだ。食べたらきっと、急性炭中毒とかで病院送りになるんだろう。
色んな方面には申し訳ないのですが、これは廃棄させて頂きました。本当申し訳ない。



結局ワイルドってなんだ



今回は概ね残念な結果に終わりました。

夏をワイルドに過ごそうと思って浮かんだのが何故マンガ肉だったのか。そもそもそこから間違いは始まっていたのだと思う。

浅い考えと適当な準備、そして怠惰な実作業。一つ一つのカルマが積み重なった結果到達したこの残念な結末。やはりもっとマジメにやるべきだったのかもしれない。いや、これはこれで良いか。

考えてみると、骨を傷つけずにマンガ肉としてのあの形状を保った状態で解体し取り出す事は、かなりの技術力が必要なのではないかと今回大いに感じた。
もしかしたら原始時代は、現代よりもずっと文明が発達していた世界だったのかもしれない。

ともあれ今回の事で色々教訓を学ぶ事ができました。次回もしマンガ肉をつくる機会があったら、今回の経験が大いに役立つだろう。そんな時がくるのかどうかわからないけど。

とりあえずその時までに、肉を食べても胃もたれしない体をつくっておこうと思う。胃薬を常備している男がワイルドなヤツだなんて言われる訳がない。




もう当分肉はいいです



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2005.07.31 22:36 | ネタ | トラックバック(0) | コメント(-) |